接遇力が向上したお店に起きる3つの変化

接遇力でお客さまとスタッフから選ばれるお店

昨今、サービス業界だけでなく、医療機関や介護施設、公的機関でも接遇教育への意識が高まってきています。
こちらのコラムを読み始めてくださったあなたも、ご自身の現場での接客・接遇力向上の重要性を感じていらっしゃるのではないでしょうか。

私はサービス業や医療関連施設の方々とお話をする機会が多いのですが、オーナーや幹部の皆さんは「自分たちのお店が接遇力の向上を実現させたときに、どのようなお店になっているのか」ということについて具体的なイメージをお持ちでないことが多いです。
ところが、接遇力の高いお店のオーナーや幹部とお話をすると「こんなお店を作りたい」という具体的なイメージとそれに向けた明確なプランを持っていらっしゃるのです。

このことから、接遇力の高いお店を作るためにはオーナーや幹部が具体的なゴールのイメージを持っていることが必要不可欠であると感じています。

その経験をもとに「接遇力が高くなるとあなたのお店にどのような変化が起こるのか?」という視点でお話をしていきます。
お店の現状と照らし合わせながら読み進めていただくことで、ゴールの具体的なイメージがわきやすくなると思います。

 

接遇コンサルタント磯貝和美がお届けする
YouTube~接遇力向上チャンネル~ はこちらから!
お客さまとスタッフから選ばれるお店や会社を作るためのヒントを研修スタイルの動画で配信中!

 

 

 接遇力が高いお店とは?
 

 

本題に入る前に、接遇力の定義について整理をしておきましょう。

接遇力とは「お客さまにとって快適な空間を提供し続ける力」のこと。
一時的にではなく、継続的に提供し続けることが「接遇力」なのです。

では、お客さまが快適に感じるのはどのような空間でしょうか。
それは、お客さまが「自分のことを大切にしてくれている」と感じられるようなサービス、品質、清潔さを提供している空間です。

つまり、接遇力が高いお店とは、一人ひとりのスタッフがお客さまのことを大切に想う心を持ってサービスを行っていて、お客さまが気持ちよく過ごせる良質かつ清潔感のある空間を提供し続けているお店のことを表します。

 

 接遇力の向上がもたらす変化①「お客さまの心情」

接遇力の高いお店になると、お客さまの心情にどのような変化が生まれるのでしょうか。
あなたのお店に行くと自分のことを大切にしてくれると感じられて、とても心地よい時間を過ごせます。

これはお客さまがお店を選ぶ最大の理由になります。
お客さまにとって、わざわざ足を運んででも行きたいお店になるのです。

お客さまご本人がお越しくださる回数も増えるでしょうし、お友だちを連れてきたいとも思っていただけるでしょう。
自分が接遇力で選んだお店であれば、自信を持って知り合いに紹介をしてくださるかもしれません。

このようなお客さまの口コミに勝る宣伝はありません。
お店の知らないところで良い口コミが広がって、新しいお客さまもどんどん増えてくるはずです。

 

 接遇力の向上がもたらす変化②「スタッフの心理」
 

 

お客さまと一番近くで接するスタッフ本人にとって、自分の接遇力が高くなることによってどのような変化が起こるのでしょうか。

一番大きな変化は、お客さまからの「ありがとう」が増えることです。
サービススタッフにとって、この言葉ほどモチベーションを高めてくれるものはありません。

実際に現場でこの変化を体験したスタッフはこのような言葉を聴かせてくれました。

『サービス中やお会計のときに、お客さまからありがとうと言っていただける機会が増えました!』

『お越しになったときは笑顔がなく目も合わせてくださらなかったお客さまに対して、他のお客さまと同じように一生懸命に接客をしているとだんだんと笑顔になってこられて、お帰りになるときに“あなたに接客してもらえてよかった”という言葉をいただきました!』

このように、自分が提供したものに対して良い反応が返ってくれば、もっと喜んでもらいたいという前向きな気持ちでお客さまに接してくれるでしょう。
もっと成長したいと自主的に勉強をするスタッフや、積極的に接遇力向上のアイデアを出してくれるスタッフも増えてくると思います。

接遇教育というのはカタチが見えにくいものですが、お客さまからいただく「感謝の言葉」をきっかけに、一気に成長するスタッフの姿を見て驚かれているオーナーの姿を目にすることもありました。

 

 接遇力の向上がもたらす変化③「スタッフ同士の関係性」
 

 

一人ひとりのスタッフの接遇力が高まり、接遇に対する意識が変わるとスタッフ同士の関係性にも変化が見られるようになります。

まず、お店の接遇力向上という共通のゴールができることでチームとしての一体感が生まれます。
良いところは認め合い、改善点はきちんと伝えるといった、お互いの成長につながるような関わり方ができるようになるのです。

私が関わってきたお店でも、最初は『改まって良いところを伝えるのも照れるし、改善した方が良いと思っていても相手にどう思われるかが不安なので口には出さない』という関係性のところが多かったです。
これがお店の接遇力向上のためにという共通の目的ができることで発言しやすい環境に変化していくのです。

伝える側の意識も変わりますが、大きいのは受け止める側の意識の変化です。
上司や先輩だけではなく、仲間であるスタッフから言われたことをありがたいという感覚で受け止めることができるようになります。
お互いを受け容れることが信頼につながり、より結束力が強くなるのです。

全てのスタッフが同じように成長できるわけではありません。
成長、変化が速いスタッフもいれば、じっくりと時間をかけて育っていくスタッフもいます。

チームとしての一体感が生まれると、このようなスタッフ同士の関わりのなかで個々の接遇力の差を埋めていってくれることもあります。

このような環境が整うことがスタッフたちのやりがいにつながり、楽しんで仕事に取り組んでくれるようになります。
お店にとって自分が必要とされていると感じることができれば『このお店で働き続けたい』と思えるでしょうし、『お店をもっと良くするために仲間と一緒に成長したい』と思ってくれるようになるのです。

 

 まとめ
 

ここまで、接遇力が高いお店になったときのお客さま、スタッフ、スタッフ同士の関係性についてお話をしてきましたが、お店にはどのような変化が生まれるのでしょうか。
そう、お客さまからもスタッフからも選ばれるお店になるのです。

お客さまから選ばれるお店になるということは、お客さまがあなたのお店に足を運んでくださる回数が増えたり、お友だちやお知り合いを紹介してくださる機会が増えるということです。

では、スタッフから選ばれるお店になるということはどのようなことでしょうか。

昨今は求人募集を出しても思うように応募が集まらないという状況が続いています。
『接遇力の高い人材を採用したいと思っても、限られた応募人数のなかでは難しい』というお声をよく聞きます。

ところが、スタッフから選ばれるお店、つまりスタッフが働きたいと思うお店の場合は、スタッフの方から『ここで働きたい!』と応募をしてきてくれるようになります。
お店のお客さまだった方が応募をしてくださったり、既存のスタッフが友人を連れてきてくれるかもしれません。

どの形にせよ、最初から接遇に対する意識の高いスタッフやお店の接遇に対する考え方に共感したスタッフが集まってくれるので、教育にかける時間も少なくなりますし、何より求人募集にかける費用の大幅な削減にもつながるでしょう。

いかがでしたでしょうか。
あなたのお店の接遇力が高くなったときの具体的なイメージは浮かんできましたか?
是非、お客さまからもスタッフからも選ばれるお店づくりを実現していってください。

次回のコラム「接遇力を向上させる方法1【接遇教育の進め方】」から3回にわたって、実際にお店の接遇力を高める方法などをお伝えしていきます。
接遇力向上の必要性を感じてくださった方は読み進めていってくださいね。

 

接遇コンサルタント磯貝和美がお届けする
YouTube~接遇力向上チャンネル~ はこちらから!
お客さまとスタッフから選ばれるお店や会社を作るためのヒントを研修スタイルの動画で配信中!

 

執筆者:接遇コンサルタント 磯貝和美
接遇研修とコンサルティングを通じて、お客さまとスタッフから選ばれるお店づくりのお手伝いをしています。私が持ち続けているのは「スタッフが笑顔で働けるお店を増やしたい」という想いです。人育てなくしてお客さま満足は達成できません。私の役割は接遇のスキルを伝えることだけではなく、接遇力向上に必要な考え方を伝え、お店全体に接遇が浸透する仕組みをつくることです。本気でお店の接遇力向上をお考えのオーナー、幹部を全力でサポートします。磯貝和美のプロフィール


『日常のなかで見つけた接遇力向上の秘訣、コンサルティング&研修の具体例などの記事を書いています!』

 

接遇コラム一覧
接遇力向上の秘訣
接遇力が向上したお店に起きる3つの変化
接遇力を向上させる方法1 -接遇教育の進め方-
接遇力を向上させる方法2 -接遇トレーナーの選定と育成-
接遇力を向上させる方法3 -接遇教育の計画と実行-

外部依頼のコツ
研修会社の種類と選び方
あなたのお店に合った接遇講師の選び方
あなたのお店に適した研修は講師派遣型?それとも公開型?
接遇研修とコンサルティングの違い
サービス業と医療機関の接遇の違い

責任者に求められる知識
責任者に求められるクレーム応対の視点
責任者が行うべき電話応対スキル向上への取り組み

 

«