接遇教育の計画の立て方

社内で接遇教育を始める前にやるべきこと」では接遇教育の下地づくりのお話、「接遇教育におけるトレーナーの必要性」では接遇教育の環境づくりのお話をしてきました。

ここでは、接遇教育の計画の立て方やお店で実行していく際の留意点などについてお話をしていきます。

 接遇教育の計画を立てる前に

トップの皆さんが「接遇教育を始めるぞ!」と決意を固めてから、下地づくりと環境づくりを行ってきて、スタッフたちの気持ちにも変化が生まれてきていると思います。
自分たちの働いているお店が目指しているところ、何のために接遇教育を行うのかということが明確に伝わっていると感じるなら教育のベースは整ったと考えて良いでしょう。

トレーナーや接遇委員が中心となって接遇教育の計画を立てていくと思いますが、最初の取り掛かりが難しいと思います。
まずは、「誰が、誰に、いつ、どこで、何を、どのように」伝えていくのかを整理するところから始めていきましょう。

 誰が:トレーナー、サブトレーナー、接遇委員が
 誰に:全てのスタッフに行うのか、リーダーや正社員から始めるのか
 いつ:いつから始めていつまで行うのか、営業時間中なのか、営業時間外なのか
 どこで:営業時間中の店内なのか、店外なのか、営業時間外の店内なのか、店外なのか
 何を:接遇の考え方、接遇スキル、商品知識etc
 どのように:OJTなのか、off-JTなのか、マンツーマンなのか複数人なのか
 
これから一つひとつの項目を決めていく際のポイントをお伝えしていきます。

 接遇教育計画の立て方 ~「誰が」「誰に」~
 
「誰が」というところは決まっていると思いますので、「誰に」という項目から検討していきましょう。

お店の接遇力向上には全てのスタッフが関わっていますので、全員同時に教育を始められることが理想ですが、人数が多かったり、店舗数が多い場合は難しいと思います。
その場合は、リーダーや正社員から始めて、徐々に一般スタッフにも教育を行っていくという方法を取ると早く浸透すると思います。

続いては「いつ」の項目についてです。

計画を立てる段階ではどれぐらいの期間で、どこまで変化するのか見当もつかないと思いますが、全て予想(理想)で良いので目標として設定しておきましょう。
「見える化」しておくことで、トップもトレーナーもスタッフも共通認識を持つことができるので途中で息詰まることがなくなります。

例えば、最初の1カ月間は全てのスタッフに接遇の考え方を理解してもらう、2か月目に接遇の基礎スキルに関する知識を伝える、3か月目にお店の接遇ポイントを見直していく、というペースで十分です。

自分ひとりなら意識次第ですぐ変われますが、他者はそんな簡単には変わりません。
ましてや、人数が多くなればなるほど、変化に個人差もあるので時間がかかるものです。

プロの講師(コンサルタント)でさえ、接遇教育は先にお話しした下地と環境が整っているお店で半年、通常は最低でも1年はかかると考えています。
日常業務を行いながら進めていくわけですから、焦らず長期的なスパンで取り組んでいきましょう。

あとは、どの時間帯に行うのかということも検討しておきましょう。
「どこで」「何を」「どのように」も併せて考えていけば良いと思います。

 接遇教育計画の立て方 ~「どこで」「何を」「どのように」~
 
お店の営業スタイルやスタッフの勤務体系や雇用形態によって変わってくる部分ではありますが、伝える内容(何を)によって適した場所と方法があります。

◆接遇の考え方
バックヤード等で勉強会スタイルで時間を区切って集中して伝える方が良い項目です。
営業時間外に全員が集まる場(ミーティング等)の時間を活用して、お店としての考え方を伝えるとともに、スタッフ自身の考え方を聴いてみることをお勧めします。

◆接遇の基礎スキルや具体的なお客さま応対の方法
基礎スキルなどの知識は勉強会スタイルで伝える方がよいですが、お客さま応対の実践についてはお店のなかで行う方が理解が深まります。
営業時間内に行う場合は、お客さまにご迷惑にならないように気をつけましょう。
可能な限り、トレーニングに集中できるような人員配置をお勧めします。

◆商品知識
飲食店であれば、メニューや食材についての知識、美容院や小売店であれば、商材についての知識が当てはまるでしょうか。
資料を用いた知識の習得であれば勉強会スタイルが良いですが、実際に体感しておくべき内容については現場で行っても良いと思います。
飲食店であれば試食会、美容院や小売店なら体験会などを行って、スタッフがメニューや商品に対して自分なりの感想を持てる環境を整えてあげましょう。

 まとめ
 
接遇教育は進める側(トレーナー、トップ)が常に計画的に考えて、行動していかなければ受け止める側(スタッフ)の変化につながりません。
行き当たりばったりにならにように、優先順位が下がらないように、通常業務とのバランスを保ちながら進めていきましょう。

「何を」伝えるにしても、トレーナーは自分の言葉に自信と責任を持っておきましょう。
その為には、トレーナー自身がしっかりした考え方と知識を習得しておかなければなりません。

接遇教育を取り入れている他店舗に勉強にいくのも良いでしょうし、本やインターネットから情報収集をするなど、常日頃からアンテナを張っておく必要があります。
トレーナーが自信を持って教育に携われるように、お店としてできることを考えてあげてくださいね。

ここまで3回のシリーズで社内で接遇教育を行うプロセスのお話をしてきました。

最初からスタッフの接遇スキルの向上に意識を向けるのではなく、まずはオーナーや幹部の考え方の統一、接遇教育の準備段階であるトレーナーの選定や教育計画の策定から始める必要があることをご理解いただけたでしょうか。

全てを社内で行えるのが理想ですが、難しいようでしたら部分的に外部の研修会社に相談してみるのも良いかもしれません。
接遇力でお客さまからもスタッフからも選ばれるお店」を目指して、あなたのお店が最初の一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

 接遇教育の計画の立て方 関連コラム
 ・社内で接遇教育を始める前に行うべきこと
 ・接遇教育におけるトレーナーの必要性

 

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